個性豊かな生徒たちに囲まれて…

私には、単位制高校の教員をしていた時期があります。数学を教えていました。分室だったため、常勤の教員は私を含め3人しかいませんでした。たった1年しかいませんでしたが、密度の濃い1年でした。
その学校は、いろんな生徒を受け入れていました。不登校を経験した生徒もいました。発達障害・学習障害が疑われる生徒もいました。進学校からドロップアウトしてきた生徒もいました。スポーツ推薦で入学したにもかかわらず、そのスポーツが続けられなくなり、学校に居辛くなって転校してきた生徒もいました。
スクーリングにだけ登校する通信制の生徒もいました。他校で問題行動を起こした生徒(やんちゃ組と呼んでいました)、プロゴルファーを目指している生徒もいました。


ハプニングの連続! でも、着実に成長!

いろんな生徒がいたので、いろんなことが起こりました。生徒が補導されて警察から電話がかかってきたり、生徒の家出騒動があったり、リストカットは日常茶飯事でした。
毎日いろんなことがありましたが、この年代の特徴として成長が速い!生徒たちは、1年で大人の何年分も成長しました。半年前、一年前には、理解できなかったり、受け止められなかったことが、きちんと受け止められ、理解できるようになっていました。生徒たち自身も、自分の変化(成長)になんとなく気づいていたようでした。


一番難しかった保護者対応

一番難しいと感じたのは、彼らは未成年であり、保護者がいるということです。保護者にも教育が必要だと感じることが、多々ありました。生徒とは違い、年に数回の三者面談や保護者会でしか会わない保護者をどうやって教育すればいいのか?いいアイディアは思いつきませんでした。
ある生徒のお母さんは、毎日子供の時間割をチェックし、忘れ物がないか、カバンの中をチェックするのだそうです。子どもが家であまり話をしてくれないと言って、不満そうでした。「息子さんは小学1年生ではありませんよ〜」そう言いたかったけど、さすがにそれは言えませんでした。高校生にもなって、親にすべてを管理されていたのでは、うっとうしくなってあたりまえでしょう。それは、お子さんがそれだけ成長された証拠。思わず、その生徒に「大変だね。」と言ってあげたくなりました。

 

子供の成長に適応できていない親って、結構いるのかもしれません。