仕事の関係で、車がないと生活することができない地域に引っ越した時の出来事です。周りに知り合いが誰もいなかったので、当時の職場の上司がいろいろ面倒を見てくださいました。私(Kumiko)は、生まれて初めてマイカーというものを持ちました。上司が、自動車保険を掛けるならこの人がいいと言って紹介してくれた人がいました。
損害保険・生命保険の代理店の経営者の方です。私がその方にお会いしたとき、思わず言ってしまった言葉は、「○○さんは、保険屋さんらしくないですね。」でした。その方に「それはいい意味ですか?悪い意味ですか?」と聞き返されてしまいました。(笑)もちろん、私はいい意味で言いました。
自分が加入していた生命保険会社とのやり取り、そして、交通事故にあった時の損害保険会社とのやり取りで、私(Kumiko)はたくさん嫌な思いをしていました。すべての人がそうではないとは理解していても、できれば保険屋さんとはあまりかかわりたくないと思っていました。言葉足らずな表現になってしまいましたが、「(私がこれまでかかわってきた)保険屋さんらしくなくて安心しました。」というのが、私のその時の感想でした。
その方の提案は、それまで出会ってきた保険屋さんとは違いました。どちらの提案がいいのかという議論は別として、私の目にはとても新鮮に映りました。お客さんからの紹介で業績がどんどん伸び、全国表彰されるようになったというのもうなずけました。
「保険で損をする人をなくす」というのが、その方のモットーです。
最初は自分の考え方が同僚などに理解されず、異端児扱いされたということでした。でも、その営業成績の良さに保険会社が注目し、社員研修の講師として招かれるようになったとおっしゃっていました。
ある時、その方が「○○さんのようになりたいと言って、入社を希望している人がいるけど、その人との関係があまりうまくいかない。」と言って、悩んでおられました。お話をお伺いしていて、私はあることに気づきました。入社を希望されている人は、「○○さんのように、よい営業成績を出して稼げるようになりたい。」のであって、「○○さんのように、保険で損をする人をなくすために頑張りたい。」では、ないのではないかと思いました。
その経営者の方は、保険で損をする人をなくすため、何がお客様にとってベストかを毎日考え、その結果として、よい営業成績を維持しているのであって、まず初めに営業成績を追い求めているのではありません。そこが、私がこれまで出会ってきた保険屋さんとは違いました。
数か月前、その方と久しぶりに電話でお話しする機会がありました。私も経営者になったことを伝えると、その方はこういいました。「いつも使命感によって行動していますよね。使命によって動く人に、雇用されるという働き方は似合いません。使命がある人は、経営者でないと…」
私は確かにそうかもしれないと思いました。自分が経営者になったことを何か突拍子もないことのように思っていましたが、私は、なるべくして経営者になったのかもしれないと…